※ ※ ※ 《温泉》――にて。 「ほら、優太……早くその粘液まみれの顔を湯で洗え。そうじゃないと、俺の理性が……っ――」 「え、でも……誠、この温泉のお湯……何だか変だよ？お湯は何か変なのが浮かんでて緑色だし……これで顔を洗うのは…………ちょっと……」 あれから、僕と誠は引田が言っていた《温泉》らしきものがあるという場所に二人きりで訪れていた。確かに、見た目は僕や誠や引田が、元にいたダイイチキュウという世界で言うところの《温泉》とソックリなのだが、先程、誠へと言ったように何かが変なのだ。 ――しかし、 「そ、そんな事を言っている場合じゃないだろっ……このままだと、俺の方がおかしくなりそうなんだよ……その、お前の……その顔を見てると――変な事をしたくなるんだよ」 「へ、変な事！？そ、それって……な、なにっ………」 ﾊﾞｼｬｯ…… ﾊﾞｼｬ、ﾊﾟｼｬｯ…… 僕が余りの気まずさから顔を背けながら誠へと尋ね終える前に、半ば強引に緑がかった変な物が浮かんでいるお湯を掬って僕の顔を洗ってきた。 ――ﾋﾟﾀｯ……！！ ﾌﾟﾁ……ｯ…… ﾌﾟﾁｯ…… ﾌﾟﾁ、ﾌﾟﾁｯ………… すると、何故か誠が唐突に僕の顔をピンク色の怪しいお湯で洗っている手を止め――そのまま僕の顔から手を下の方へと下ろしていく。 ―――《温泉》らしき場所に来たというのに、恥ずかしさから未だに脱げずにいた僕の服に手をやると、普段は優しい筈の誠から想像もつかない程に乱暴な手つきでボタンを外していき、まるで僕の意思などお構いなしとでも言いたげな様子の誠から強引に服を脱がせられてしまうのだった。