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【夢見がちな女の子】と観覧車 ※ミスト・引田side

※ ※ ※ 【ウフフッ……】 【フフッ……キャハハッ……】 誰かの笑い声が聞こえる――。 ふと、今まで楽しそうに笑っていた声がピタリ、と止み――引田はハッと我にかえった。何が起こったのか確認しようと見渡した時、引田の服の裾をギュッと掴みながら横たわり、目を瞑っているミストがいる事に気が付く。 【ご機嫌いかが?そうだわ――これからお茶会をしましょうよ。ねえ、うさぎさん?】 【…………yes,Alice……yes,Alice…………yes,Alice……】 【永久に覚める事のない楽しいお茶会にしましょう――どうせ、生きていたって――つまらないもの。だったら、永久にこの世界の中にいた方がいいじゃない?でもね、わたしの家族はそれを理解してくれないのよ――だから、始末したわ。楽しい楽しいのこの世界の中で過ごすのを邪魔するものはいらないもの――ねえ、うさぎさん?】 【As says Alice…………As says Alice…………(アリスの言うとおり)】 引田の目の前には、先程――引田とミストを飲み込んだピンクのうさぎの着ぐるみと――女の子が座って此方の方を見つめてニコニコと微笑んでいた。 ――バレリーナが着るような水色と白を基調としたチュチュ。 ――胸元には大きな黒いリボン。 ――周りを魅了してしまうくらい綺麗なウェーブがかった金髪。 ――足元にはバレリーナが履くような赤いトゥシューズ。 引田へも笑いかけている女の子の格好は童話に出てきてもおかしくないくらいに可愛らしく、そして――奇妙だった。

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