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【夢見がちな女の子】と観覧車② ※ミスト・引田side

ゴトン…… ゴト――ゴトン…… 相変わらずニコニコと異常な程に笑みを浮かべて【夢見がちな女の子】は、どうしたらいいのか分からずに呆然としている引田は、ふいに――何かがゆっくりとだが動いているような音に気付いた。 ――その音の正体を探ろうと再び辺りを見回した時、 【あら、そんなに慌てなくても――お茶会は逃げないし、お茶だってなくならないわ?急に辺りを見回したりして――どうしたのかしら?そんなことをしても無意味よ?だって、おにいさん達は、これから――ずっと永久に――わたしと、うさぎさんと空想の中にいるんですもの……それに――】 【せっかくのお茶が冷めてしまうわ――ねえ、うさぎさん?】 【As says Alice…………Take this tea……】 ――ふわり、と引田の鼻を刺激したのは甘い薔薇の香りがする見た目は普通のお茶だった。まだ温かいのか、湯気をたてている。 すると、そこでふと――引田は改めて辺りを見渡してみた。先程の正体不明な音もさる事ながら、どうして今まで気づかなかったのか不思議なくらい大きな窓が引田と横たわるミストのすぐ横にあるという事に――今更ながら気付いたのだった。 【夢見がちな女の子】が差出した、まだ温かいお茶の湯気が――その窓の上方へとあがっていく。 「そ、そんな…………そんな筈がない。ここが……かつて通っていた学校だなんて……そんな筈……ありえないっ……!!」 引田は大声で叫ばずにはいられなかった――。 何故なら【夢見がちな女の子】が差し出してきたお茶の湯気が窓の上の方へとあがっていき――窓ガラスへ辺り、必然的に窓ガラスが曇った時――本来ならば有り得ない筈の引田が以前通っていたダイイチキュウの学校の景色が窓の外へ現れたからだった。

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