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【ネムロ】の世界④ ※ミスト・引田side

【汝――健やかなる時も病める時も、魂をかけ――この者を愛し、永遠に守り抜く事を誓いますか?】 【我、この者に魂をかけ、愛すると同時に永遠に守り抜く事を誓います――】 氷のような微笑を浮かべている《作り物の女王》が、ふいに口を開き――まるで歌で人間を魅了する《人魚》のような美しい声で【ネムロ】へと尋ね、その《作り物の女王》の問いに間髪いれずに即答した。 【汝――健やかなる時も病める時も、この者を慈しみその魂をかけ――永遠に愛する事を誓いますか―――?】 「……っ……わ、我、この者を魂に誓い――永遠に愛……す……っ……」 すると、今度は《作り物の女王》がミストに対して問いかけてきた。この問いに、答えてはいけない――と分かってはいたものの、やはり――ミストの意思に反して勝手に口が開き、そして言いたくもない台詞が自然と口から出てきてしまう。 (た、助けて……誰か……っ――このままじゃ――この狂った《世界》に永遠に閉じ込められてしまうっ……ユウタ、マコト……ナギ……サン……それに、ヒキタ……ッ……!!) ミストがもう少しで呪いとも言える《誓いの言葉》を言い終えそうになった時――、 ヒュッ…………!! 少し離れた場所から、唐突に何かが飛んできた。そして、それは――ミストを狙ってではなく、明らかにミストの隣にいるネムロに対して投げられた物だと分かった。 【ぐっ…………グァァァァッ!!】 何故なら、その投げられた何かが《かつての誠》へと変身しているネムロの腕へと刺さり、彼の苦悶の凄まじい悲鳴が辺りに響き渡ったからだった。

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