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【ネムロ】の世界⑥ ※ミスト・引田side

【キサマ、キサマ……よくも、このオレのこの羽を……この美しい色の羽をっ……傷付けたな…………醜い血の赤色が混じったじゃないか!!この汚ならしいニンゲンめ――死ぬほど後悔するがいいっ!!】 ギョロッ、ギョロ………… 【ネムロ】が余りの怒りに顔を歪ませてミストの隣へ駆け寄る引田をギロリと睨み付けると、それと同時に手に持っているヒビ割れた卵の殻の外側に不気味な目が現れる。 その不気味な目が怯えるミストとこれから何が起こるか分からない故に警戒しながら睨み付ける引田を捕らえた時――、 グサッ…………!! 何の躊躇もなく――美しい羽に突き刺刺さっていた彫刻刀を無理やり引き抜いた【ネムロ】が卵の殻の外側に現れた不気味な目の中心へと勢いよく彫刻刀を突き刺したのだった。

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