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【笛吹男】とメリーゴーランド ※サン・ガルフ・ライムスside
▽ ▽ ▽
ピィ~……
ヒャララ……
ピィ~、ヒョロロ……
ふと、目を覚ましたサンの耳に遠くの方から吹いている笛の音色が聞こえてくる。
半ば強制的に色とりどりのビックリ箱のようなミミックの中へと引きずり込まれた後、ずっと気を失っていたサンはとりあえずは状況を把握しなくてはいけないと辺りを見渡してみた。
誰もいない――。
―――とはいっても、辺り一面が真っ白な深い霧に包まれていて人がいる事はおろか、ここがどういう場所なのかという事すら目で見てみるだけでは確認出来なかった。
ゴトンッ――
ゴトンッ――ゴトッ―――
しかし、自分が何かの上に乗っかるように座っていて――かつ、その何かが激しくはないものの、緩慢な動きで上下に揺れているという事だけは感覚で分かった。
クイッ――
クイ、クイッ――
【ねえ、おじちゃん……おじちゃん……】
【おじちゃん……なんで此処にいるの?おじちゃんは子供じゃないのに……どうして子供だけしか乗れない筈の……メリーゴーランドに乗って笛吹男に拐われちゃったの?】
いつの間にか、今の状況が把握しきれておらずに呆然としているサンの側に小さな男の子がいて、服の裾をクイクイと引っ張ってきたのだった。
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