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【笛吹男】と【ピエロ的ゾンビ男】とミラーハウス ※サン・ガルフ・ライムスside

▽ ▽ ▽ 『―――サン様』 『サン様――』 『大丈夫デスかっ――!?』 聞き慣れたライムスの大声で目を覚ましたサンは、ゆっくりと体を起こす。しかし、すぐに後頭部にガンガンと激しい痛みが走った。 ―――その後頭部の痛みからくる激しい痛みに、思わず顔が歪んでしまったサンは同時に心の中で不快さを抱いた。明らかに、己と仲間に対して危害を加えようとしている輩がいる事に対して激しい不快感を抱いたのだ。 「おい、ぐにゃぐにゃ!!ここは一体……何処なんだ?それに、お前……体のどこかに痛みは感じないのか……って……お前はスライムだから平気なのか?」 「し、失礼なっ……いくら御主人の仲間であるサン様とはいえ、ぐにゃぐにゃなんて呼ばれ方は、あんまりデスよ。私には、れっきとしたライムスという名前があるんデスから!!」 ―――なんという面倒くさい奴だ。 ー――やれやれ、といわんばかりにサンは深く溜め息をついた。 「ぐ―――ライムス、ここが何処なのか分かるか?得たいの知れない奴等に後頭部を殴られた後、気絶したフリしていたお前なら――奴等の会話が聞こえてきた筈だ。何か、手がかりになるような事は言っていなかったか?」 「え、えっと……デスね~……うーん、と……」 早く続きを言え、とライムスに怒りたくなるサンだったのだが、後頭部を激しく殴られた後に何も覚えていなかった己よりは目の前いる普段は頼りないライムスの方が今は役にたつと思い止まり、怒鳴りたくなる気持ちを懸命に堪えるのだった。

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