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【笛吹男】と【ピエロ的ゾンビ男】とミラーハウス ※サン・ガルフ・ライムスside

――ビシ、ピキッ―― ビシッ―― ――パリーンッ―――!! 凄いスピードで鏡に亀裂が入っていき、やがて音をたてながら割れた。サンが気絶しているライムスを庇うように身を屈め割れていく鏡を呆然としながら見つめると、ふいに―――元は鏡だったはずの場所に巨大で血走っていて尚且つ不気味な赤い1つの目が出現する。 ――ギョロ…… ――ギョロ、ギョロッ…… 【―――まったく、だから――あの子には油断するなと忠告したのに。それにしてもドッペル虫とドラゴンの白銀の爪から逃れられるなんて――お前たち、素質があるな。アイツの願いを叶えるのは癪だが――ここはひとまず、見逃してやるよ。それじゃあ、また後でな!!】 唐突に唖然とするサンと尚も気絶したままのライムスの前に出現した不気味な1つの赤い目はギョロ、ギョロと辺りを見回すと、口など見当たらない筈なのに、低い声でサンへと言い放つ。 そして、パチッと赤い目が瞬きをした途端に今まで部屋にいて自分たちに危害を加えようとしていた筈のドラゴンの白銀の爪や、弓矢で張り付けにされていたドッペル虫の本体は跡形もなく消え去り――静寂が部屋を包み込むのだった。

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