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【ピエロ的ゾンビ男】と【イビルアイの男】

【前の世界の――まだ生きていた頃の姿と違って今の俺にそんな事をしても無駄だって分かっただろう?本当に、お前は――前の世界で俺の生徒だった頃と変わってねえな。まあ、学習しないバカなヤツともいえる】 【うるさいっ……うるさい!!前の世界にいた頃、今みたいに僕を苛めてきたくせに……教師のくせに……冷たい言葉で成績が悪いとか鈍くさいとか散々、僕を罵ってきたくせにっ……僕を苛めて悲しむ姿を楽しんで見てきたくせに!!】 ―――ヒュッ!! ――パリーンッ―― 怒りという感情をコントロール出来ていない【ピエロ的ゾンビ男】は、今度は机の上に置いてあったガラスで出来た用具を思いきり【イビルアイ】に向けて投げつけた。やはり、それをスイッと軽く避ける【イビルアイ】だったのだが、ふいに【ピエロ的ゾンビ男】の目前にまで移動してきた。 【なあ、夢々ちゃんよ――お前、本当に笛木のヤツに心から愛されているとでも思ってんのか?お前の幼なじみだった美々ちゃんと、挙げ句のはてに肉体を捨ててまで、この世界で笛木のヤツの言いなりになって――こんな不死の体になって弱き命を弄んで――それで満足なのか?】 【なっ…………何を今更……ダディは僕を愛してくれてる!!僕もダディを心から愛してるっ……イビルアイ、お前は僕の下僕も同然なんだから……僕とダディの事に口出しするな!!】 【……………】 パチッ―― その【ピエロ的ゾンビ男】の半ば自棄になっている返答を聞いた途端に【イビルアイ】は悲しんでいるのか、もしく呆れているのか定かではないが今まで開いていた目を閉じてしまった。 【――早くしろ……パレードに参加するんだろう?もう―――】 チュッ…… 【今のお前に――何を言っても無駄なのはよく分かったよ。お前と笛木の関係は純粋な愛からくるもんなんかじゃない――単なる共依存だ】 【ピエロ的ゾンビ男】は目を閉じた【イビルアイ】へと不死のキスをした。すると、【イビルアイ】の姿は再び部屋から消え去る。 姿を消す前に己に向けられた【イビルアイ】の言葉を【ピエロ的ゾンビ男】は聞かない振りをした。 (ダディを心から愛してる――ダディも僕を心から愛してくれている!!) その病的ともいえる思いだけが【笛吹き男】から出される理不尽な命令を聞き続けてきた【ピエロ的ゾンビ男】の原動力となっているのだ。

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