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サンと【凶暴化したガルフ】

▽ ▽ ▽ ▽ 【狂暴化したガルフ】との突然の再会に、サンは体どころか足すら一歩も動かせずに立ち止まったまま、しかし警戒しながら立ち尽くしていた。 しかし、ライムスは違うーー。 ライムスはサンのように【狂暴化したガルフ】を目の当たりにしても警戒する事も、ましてや怯える事もなく――どんどんとウサギのように跳び跳ねつつ通路の先へと進もうとしているのだ。 ~♪♪~♪♪♪~♪♪~ ~♪~♪♪♪♪~♪♪♪~ またしても、サンの耳に軽快なリズムを奏でる楽器の音が聞こえてきた。しかし、先程聞こえた楽器の音とは少し違うと感じた。軽快なリズムなのには変わりがないのだが、その音色は――少し切ないもののようにサンには聞こえたのだ。 「行かなきゃ……パレードに……行かなきゃ……」 【楽しい楽しいパレードに参加したければ着いておいで――スライムのオチビちゃん。ダディがキミにとても興味を持ってる――スライムを実験の素材にしたことはないからと、キミに大いに期待してる――愉快なパレードに参加させてあげるよ。その資格を、君は得たんだ。簡単にボロキレになった人間の子供なんかより、よっぽど珍しい素材みたいだからね】 その時、唐突に――赤と緑と青の色とりどりな風船を左手に持ち、右手には【笛吹男】が吹いていたリコーダーによく似た笛を持っている【ピエロ的ゾンビ男】が継ぎ接ぎだらけの口元の右側をぎこちなく歪ませて醜悪な笑みを浮かべながらライムスを諭すように話しかけてくるのだった。

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