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~ドッペル虫退治の終わり~
――グサッ
サンの覚悟を決めた一撃は【ドッペル虫】を攻撃すべく、そのまま真っ直ぐに飛んで行く。
【ギィ、ギッ………ギィァァァァーッ!!】
そして、苦しげに両腕で己の頭を抑えつつ、ガルフのけたたましい悲鳴が聞こえた後、すぐに彼がうつ伏せに床へと倒れてしまう――。
―――ニョロ、
――ニョロ――ニョロ、
すると、うつ伏せに倒れたガルフの左耳から、見るからに息も絶え絶えで瀕死の状態であろう【ドッペル虫】が出てきたのをサンは見逃さない。
ギロリと睨み付けると、そのまま容赦なく足で踏みつけるのだった。慎重な彼は、既に死骸となっているであろう忌々しい虫を踏みつけた後――念のためにグリグリと足を床に擦り付け【ドッペル虫】が本当に死骸となったのかを確認するのを忘れなかった。
▽ ▽ ▽ ▽
【ふぉっほっほっ………ようやく、《ひとつめの願い》が叶えられたの。では、お主はこれから《ふたつめの願い》を叶えに行くがよい。この狼男も、ワシらが看病しておいてやろう。だが――】
【勘違いするでないぞ?ワシらは、この狼男の失った左目を元のように戻せる訳ではない。ただし、他のゲガした部分は出来るだけ快復させてやる、という事だけじゃ。ほれ、もうひとり――救う者がいるのじゃろう。ならば、早く行くがよい】
その後―――《湯血・笑爺》に言われてサンは迷った。
確かに、《誰か》を救うために先に進まなければならないと感じているのだが、その肝心の《誰か》とやらが、一体誰の事なのか――どうしても思い出せないのだ。
それに、もうひとつ疑問がある――。
その《誰か》を救うために――何処に行けばいいのかが、どうしてもサンには分からないのだ。
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