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~サンと【赤いひとつ目の風船】~

すると、その時だった―――。 これから、どうするべきか迷っているサンだったが何の気なしにふっ、と目線を己の血で汚した床の方へと目線を移すと――何故だか再び沸騰したかのように血溜まりに泡がたっているのに気付いたのだ。 ―――ボコッ…… ――ボコッ…… ――ゴポッ、ゴポッ…… その不気味な音が―――ピタッと止んだ時、 【まったく…………まさか、アイツが狼男に 仕掛けたドッペル虫の野郎まで退治されちまうとは……大した野郎だぜ】 ギョロリ、と開かれた【ひとつ目の赤い風船】がサンの血だまりの中から姿を現した。そのため、それに気付いたサンは途端に警戒心を纏いつつ、それをギロリと睨み付ける。 【お~……怖い、怖い!!せっかく俺が誉めてやっているってのに……っ……】 「うるさいっ……黙れっ……この――おぞましい魔物め!!」 ザシュッ……!! ふざけているような態度の【イビルアイ】の言葉を聞いたサンは咄嗟に弓矢を取り出すと、無駄だとは分かりつつも思わず赤い風船の目の部分を目掛けて弓矢を突き刺すのだった。

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