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~安息の地へと戻るサン・ガルフ・ライムス~
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「……起きて、サン……起きてってば!!」
久しく聞いていなかった懐かしい仲間――ミストの不安げな声が聞こえてくる。それに気付いたサンは、ゆっくりと目を開ける。
サンの予想通り、心配そうに此方を見つめてくるミストの今にも泣き出してしまいそうな顔が彼の目に映った。
隣には、見た事のない黒髪の男がミスト程ではないが心配そうに此方を見つめている。そして、サンが状況を把握しようと辺りを見渡してみると――《妙な世界》に囚われる前に出会ったセーラー服姿の少女の腕に抱かれて幸せそうなライムスと、相変わらずスヤスヤと眠っているポメラニアンのような顔をした兎のような奇妙な生物が少女の足元にいる事に気付く。
しかも、そのフワフワとした真っ白な毛に覆われた体の背中の部分には《妙な世界》で己と仲間達に絡んできた【イビルアイ】の赤いひとつ目が一体化したかのように存在しているのだ。
「サンってば……大丈夫!?ライムスは看病したから大丈夫そうだけど、どうして……ガルフさんの片目が――なくなっているの?」
「ライムス……?ああ、ぐにゃぐにゃの事か。」
「サン、本当に――どうしちゃったの?何で……ライムスの名前を忘れたみたいな顔をしているの?それに、あの変な生き物は何?聞きたい事が、たくさんあるから……看病するついでに、こっちに来てミストに聞かせて。あのニンゲンの集団のリーダーも――サンを看病してくれるって!!」
訳が分からない言葉がサンの口から矢継ぎ早に出てきて混乱しているミストを目にしつつ、サンはゆっくりと体を起こそうするが、そのせいで全身に痛みが走ってしまい思わず顔を歪めてしまう。
「大丈夫かな――?色々と話したい事はあるかもしれないけど、それよりもまずはキミの看病が先だ。ほら、俺の腕に掴まるといい」
ミストからニンゲンの集団のリーダーと呼ばれた黒髪の男が片手を差し出してきたため、怪訝そうにしつつも彼の腕を借りると――そのまま体をゆっくりと起こし、渋々ながらも彼らの後に着いていくのだった。
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