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安息の地へと戻るサン・ガルフ・ライムス~
ミスト達のいる塔の内部へと戻ってきて暫くたった後、まだ本調子ではないものの少しは回復して元気を取り戻したサンはリーダーという黒髪の男に連れて来られて休んでいた場所で同じように休んでいるガルフの元へと歩み寄っていく。
悪意があった訳ではなかったが、結果的にガルフの片目を彼の命と引き換えに奪ってしまったのは、紛れもなくサンなのだ。それに関して、後悔はしていないものの――やはり、罪悪感を抱いているサンは深呼吸をして気持ちを落ち着かせてガルフへと理由を説明してから謝ろうと決意を固めたのだ。
▽ ▽ ▽ ▽
「…………そうか、そんな事があったのか。まさか、我が輩の記憶がない内に……片目を失う事になるとは…………」
「その――済まない。狼男よ、お前の大事な片目を犠牲にしてしまって。だが、私は………っ……」
既に目を覚ましていたガルフは横たわったままサンの謝罪の言葉を聞いてくれた。そして、今まで何が起こっていたのかについて説明をし、結果的にガルフの片目を奪ってしまった理由を聞いても彼は驚いた顔を浮かべる事はあったものの、サンを一方的に責めるような事はしない。
「いや、お前の気持ちは分かっている。それよりも……我が輩の命を救ってくれて……感謝する。あとは、あの二人のニンゲンが……此方に戻ってくるのを待つだけだ。」
「…………ああ、そうだな」
サンがガルフに謝ってスッキリとした表情を浮かべる側で《イビルアイだった奇妙でフワフワな生物》をミストとライムスが楽しそうに弄んで抱っこしようとしたり、好き勝手に撫で回して遊んでいる。そして、彼らから必死に逃げようともがいているソレを見つめた。
「ねえねえ、サン………この変なのミスト達のペットとして、これから連れて行ってもいい?いいのかな、いいよね?」
「ワタシも連れていきたいです……いいですか、サン様?」
目を輝かせながら、ミストとライムスが《イビルアイだった奇妙でフワフワな生物》をグシャグシャになで回しながら尋ねてくる。
―――すると、
「うえ~………何それ、気持ち悪い。背中に不気味な赤い目がついてるなんて――どうかしてる。それに、ミストもライムスも……それより大事な事があるよ。まだ、優太くんも木下誠も戻ってきてないじゃないか。そっちの方が先でしょ?まったく、早く戻ってきてくれないと困るよ。二人とも、今頃何をしているんだろう………」
少し離れた場所にいて黒髪のリーダーという男と話していた引田がポツリとサン達へと言うのだった。
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