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【赤ずきん】と森の迷路とスノードーム ※優太・誠side
「僕は《過去からきた愚者》と《過去に存在していた世界》……どちらも選ばないっ……!!」
《王宮の警服を着ている愚者》は―――おそらく誠が幼い頃の過去の姿。
《透明な世界》は―――おそらく今ではなく過去に存在していたスノードーム。
僕は、考えに考え抜いて、最終的にはそう結論づけた。
【―――その答えで、よろしいのですか?】
正直言って、その答えにハッキリとした自信などない――。
そもそも、ここは僕らにとっての【敵が支配する世界】であり、常識的な考えや答えなどが存在するのかどうかさえ定かじゃない。
だが、僕は――自分の素直な考えを【ドリアード】へ答えた。きっと、僕の大切な仲間達も――僕と同じ答えを言うに違いないと信じているからだ。
【正直者のあなたには―――この《愚者》と《世界》をお返し致しましょう。あなたの健闘を祈ります―――どうかお気をつけて。】
泉を円状に取り囲む蓮の葉の上をグルグルと反時計周りに回っていた二本の木の棒が――【ドリアード】へと答えた途端にピタリと止まった。
すると、今まで頭にスノーフレークの花冠をつけた全身真っ黒な【ドリアード】がピカピカと金色に光り輝いて――どんどんと姿を変えていく。
最終的にはウェーブがかった艶やかな金色の髪の毛と、美しい青色の瞳をもつ森を守る女神の姿に完全に戻った【ドリアード】が優しく僕へ微笑みかけるのだった。
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