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【赤ずきん】と森の迷路とスノードーム ※優太・誠side
自由奔放に何度も姿を変える三人娘のいちばんしたのコッコが愉快げに笑いながら言う【カラスさん】というのは、僕をバカにしてくるように翻弄し、挙げ句にはスノードームを奪いとった巨大なカラスだとして――ロカというのは【鳥形の白い仮面を被った男】の事だろうか?
(ダメだ―――そんなこと、そんなことは――どうでもよくなるくらいに――眠い――)
【キャハハハッ―――やっぱり、ねむくなる?ねえ、ねむくなる?こんなところで――ねむったら――ええと、なんだっけ?なんだっけ?ああ―――そうそう、おうじさまがコッコにおしえてくれたことば――とうしをしてしまうわよ?こんなに、ふかいゆきのなかで、とうし――とうし……っ……!!?】
相変わらず【カラスさん】だけでなくわ、三人娘のいちばんしたのコッコまでもが僕らをバカにしてくるような甲高くて不快になる程のキィキィ声で叫んでくる。
(おうじさま……おうじさまって――誰のこと―――?)
未だに白い靄がかかったようにモヤモヤとした頭の中でボーッと考えようとして、それでもやはり強烈な眠気には勝てる気もせず―――半ば諦めかけた時、
―――ボスッ!!
唐突に、どことなくふてくされたようなマーロンが地面に降り積もる雪を掴みとると、そのまま雪玉を作り―――そして、それをある方向へ思いきり投げつけるのだった。
―――マーロンが雪玉を投げつけた方向には赤いニンジンの着けられた小さめの雪ダルマがひとつ。
しかし、一般的な雪ダルマとは少し違う――。
その雪ダルマにはニンジンの鼻が着けられてはいるが、その代わりに目がない。
何よりも――普通は白い筈の全身が影のように真っ黒なのだ。
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