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【赤ずきん】と森の迷路とスノードームからの脱出 ※優太・誠side

【生意気な三人娘】が全て消え去ったせいなのか、コッコが天から襲ってきた【悪魔の黒い手】に捕らえられてムシャムシャと食べられた後―――今まで辺り一面が雪に包まれていた森の中が眩い太陽の光に包み込まれる。 ―――今まで枯れ果てていた周り木には彩りの美しい花が咲き、 ―――美しい羽根を持つ鳥や、リスや狐や兎などの動物たちが元気よく森の中を駆けていき、 ―――今までは雪に埋もれていて見えなかったのだが子供のたどたどしい字で《➡コッチ》と買かれたような木で出来た看板があり、 僕らに先に進め、といわんばかりに目の前には両脇にタンポポの花が美しく咲き乱れる小道が広がっているのだ。 すうっ………… 「僕は……いいや、僕らは――絶対にお前達を許さない!!彼女達を苦しめて傷付けたお前達を――許さないから……っ……」 その小道を歩いて進んでいく前に、僕は呼吸が苦しくなってしまう程に息を吸い込み――おそらく、今でも天から僕らの行動を観察している悪魔のような黒いスーツを着た男――それに男の仲間達へと向かって宣戦布告ともいえる言葉を思いきり叫んだ。 ―――すると、 【―――何かを手にいれるためには、別の何かを犠牲にしなくちゃいけないんだよ――キミもいずれ――分かるはずさ。王子さまのお気に入りの―――ユウタくん――だっけ?まあ、それはいいや。この次の世界では――美しい小鳥ちゃんがキミらと遊ぶから楽しみにしててね――】 それを最後に―――スーツ姿の男らしき声は――二度と天から聞こえてくる事はなかった。 「おい…………行くぞ。まだ、この世界から出る前に……何かやらなきゃいけない事があるんだろ?」 ―――マーロンの少しだけ不機嫌そうな言葉で思い出す。 そうだ、コッコから取り返した《本物の赤頭巾》を【看板娘の赤ずきん人形】に渡さなくては―――。 それをしなければ、きっとこの世界からは―――出られないと思うから。

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