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~久々の休息②~

「うん、おいしい―――リーダーさん……料理を作るのお上手なんですね」 「ああ―――こう見えても、ダイイチキュウでは……独り暮らしが長かったからね。というよりも、突然弟が行方不明になってから、必然的にそうせざるをえなくなったんだ。俺が、今此処にいる理由も――弟を探すためさ。だから、こんなに大勢の人たちに料理を振る舞うのは――実は久々なんだ」 (こんなにしっかりしてそうなリーダーさんも――色々と、大変なんだな……) 我先にと皿に盛られた料理を受け取ろうとする空腹という名の欲望に襲われた人々に振り回されているリーダーさんを横目で見ながら、僕はしみじみと思った。 ―――その行方不明となった弟の名前は何というのか。 ―――そもそも、リーダーさんの名前は何というのか。 ―――僕らの仲間になってくれる気はないか。 色々な事をリーダーさんへと聞きたくなった僕だったが、あまりに詮索するのも悪い気がして―――それらの事を彼に尋ねるのはグッと堪えた。 「ったく―――てめえは相変わらずトロいな!!ほら、手伝ってやるからさっさとしろよ!!」 「なっ……………清田、そんな言い方はないだろっ……お前、それでも俺の恋人かよ……」 ふっと見てみれば―――既にリーダーさんにも何人か仲間がいる事が分かる。彼らには彼らの事情があるのだ。 ▽ ▽ ▽ ▽ 「ち、ちょっと……止めてったら……」 「いいじゃん…………こっちにおいでよ?」 久々の賑やかで楽しい食事が終わり、僕が一息ついていると――ある光景が目に入ってきた。 未だに裸エプロンのまま皿洗いを手伝っていた引田に、オタク風な男の人がニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら絡み、それを本気で嫌がっている光景だ。辺りには僕以外に気付いているような人は誰もいないようだ。 (引田ったら……いい加減に服を着ればいいのにって――そういう問題じゃないよね――早く助けに……っ……) そう思いつつ僕が腰をあげようとすると―――、 「あの、愚か者め……っ……」 それだけ低い声で呟いたサンが―――僕よりも先に本気で男からのセクハラともいえる行為を嫌がってる引田の元へ駆け寄っていく。 ―――彼らには、彼らの事情がある。 ―――僕は引田の事はサンに任せる事にして、先に眠りにつくことにしたのだった。

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