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~【一番偉い塔の支配者】からの有り難きお言葉を――聞くがよい~

―――ガッ!! 僕の体が奇怪な【動く鎧】に力強く押さえつけられたのに気づいた誠が、渾身の力を込めて【動く鎧】を殴る。 しかし―――、 ガシャッ――、 ――ガシャ―――ガシャッ!! 一度は少し離れた場所に吹っ飛んでバラバラになった【動く鎧】だったが、すぐに復活し立ち上がると素早い動きで僕の方へ近づき体を、またしても力強く押さえつけるのだ。 「優太から離れろっ……今すぐにだ!!」 【おっと、そんな事をしたところで時間の無駄さ。何度でも彼女らは蘇るからね。大人しくしてないと、ボクの可愛い奴隷の動く鎧が君のお仲間の―――いや、恋人だっけ――まあ、それはいいとして優太君とやらの目玉を白銀のスプーンで抉ったり――もしくは白銀のナイフで串刺しにしちゃうかもね~……そうなるのはイヤでしょう?】 「なっ………何だと……っ……!?」 【だから、今すぐにボクの奴隷の動く鎧からその汚らしい手を離して犬みたいに従順に話を聞けって言っているんだよ?ボクの堪忍袋が切れる前にね……キミらよりも遥かに年上の俺の言葉を聞いた方が――いいんじゃないかな~?】 誠は苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべながら渋々、真っ赤な鎧兜の中から【スーツ姿の男】のふざけた声が聞こえてくる【動く鎧】から手を離した。 【よしよし、いい子だね……じゃあ、まずは――この映像を見てもらおうか。麗しい眠り姫の映像さ―――といっても、かなり生意気だった姫だけれど……君らも気に入るだろうね~♪】 【スーツ姿の男】の言葉が聞こえてくると、急に無機質な灰色の石壁に、ある映像が浮かんできた。 ―――それは可愛らしいお菓子の塔から無機質な灰色の石壁に変化してしまった塔の内部ではなく外側を映し出した映像だった。 塔の灰色の石壁には黒い薔薇の花が所々に咲いた茨の蔓がグルグルと塔全体を覆うように巻き付いていて、金色の美しいドレスを身に纏い―――毒々しい茨の蔓に体を巻き付けられて拘束されている仲間のナギがグッタリとした様子で眠りに墜ちているのが分かった。 そして、眠りに墜ちるナギの周りには優太が見たこともない金色と銀色の体と羽を持ち、普通のピクシーよりも大きなピクシーが優雅に飛び回っているのだった。 まるで、眠りに墜ちるナギを守っているかのように―――。

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