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ようこそ、【満天の星空の世界】へ⑤へ

パシャッ…… バシャッ、バシャ………… ガッ―――!! 宝石を散りばめたかのような夜空の幻想的な光景と大樹にとまっている豪華な鳥の群集の光景にボーッと見とれてしまい、上ばかりを見つめてしまっていた僕だったが、ふと足元の方から水音が聞こえてきて更に何かから足を掴まれたことに気付くと慌てて目線を下へと向けた。 【……い……つ……まで……いつ……まで……】 「ひ、ひぃ……っ……!!?」 きらびやかな宝石を散りばめたかのような満天の星空と魅惑的な鳥の群集がとまっている大樹とは裏腹に、僕の足元には沼のように暗い泥水の中に沢山浮かびながら、みすぼらしい沢山の鳥達が恨めしそうに同じ言葉を繰り返し呟きつつ、ぷかぷかと水中に浮かんでいるのだ。 ただ単に、みすぼらしい見た目の鳥ではない―――。 顔は、僕と同じような人間の顔をしている―――。 そして、死んだ魚のように生気を失い濁りきった瞳を足を掴んだまま此方へと向けてくるのだった。

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