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滅びゆく【ハーピーの世界】と【石鳥コカトリス】①

そして、ミストに託された魔法詠唱を唱えるという僕の決意を無言で汲み取ってくれた誠が石化にならないライムスに対して苛立ちはじめたのか地団駄をふみつつ、がむしゃらに周辺に石化攻撃の息を吐き出している【コカトリス】をジッと見据えてから―――ふいに、沼に浮かんで半分石像と化してしまっている【以津真天】を力任せに沼から引き上げると、それを手に持ちながら走り出した。 タッ、タタッ―――、 タタタッ―――、 「よし、これでもくらえ……っ……!!」 グシャッ―――!! 何かが潰れる――嫌な音が僕の耳に入ってきたかと思うと、ギロリと冷たく鋭い【コカトリス】の瞳がまっすぐに誠の姿をとらえる。 ―――ビュゥゥゥ~………… ピシャァァン……ッ……!! ――ザァァ~…… ズガァァァン……ッ……!! 【世界】は尚も―――めまぐるしい程の風雨と雷に包まれているのだ。 それでも、誠は必死で駆ける―――。 【コカトリス】をある場所へ、あのチョロチョロとしていたトカゲのような奇妙な生物が先程からコッソリと隠れている___大樹の真下の方へと。

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