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【滅びゆくハーピーの世界】と【石鳥コカトリス】②
そんな誠の様子をハラハラしながらも、僕は杖を構えて、それこそ石のように彼の合図をジッと待つ。
▽ ▽ ▽ ▽
(よし、どうにか――ここまで誘導できた―――あとは、この木にとまる鳥達の目の色が青く変化するのを待つだけだ……っ……)
大樹の下へと【コカトリス】を誘き寄せるため移動してきた誠も―――優太と同じように、ジッとある時を待っていた。
木の枝にとまっている沢山の鳥達の瞳が青色に変化する時―――。
――チョロ、
―――チョロ、チョロ、
先程からトカゲのような奇妙な生物も、まるで誠の思考を分かりきっているかのように左右に動きながら大樹の下へ誘導した【コカトリス】の気を引いてくれて、ヤツが杖を構えている優太に気付かないようにしてくれている。
と、その時―――、
大樹の枝にとまる沢山の鳥達の瞳の色が一斉に青く光る。
ゴォォォッ…………!!
それと同時に今まで【コカトリス】の気を動きで引いていただけのトカゲのような奇妙な生物が身に黒炎を纏いながら、【コカトリス】の体に飛び移った。たちまち、体の一部が黒炎に包まれていき、苦痛で周りの者たちが不快になる程の大きくて甲高い叫び声が響き渡る。
【ギッ……ギェェェェッ……グェェェッ――!!】
苦痛に悶える凄まじい悲鳴をあげた【コカトリス】に向かって大樹の枝にとまっている複数の鋭い青い目がギロリと突きささる。
「優太……今だ……っ……!!」
緊張で体を震わせながら、杖を構えて石のようにジッと待ち続けている優太の耳に―――ようやく誠の合図の声が聞こえてくるのだった。
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