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【滅びゆくハーピーの世界】と【石鳥コカトリス】③
「△△З$$&αΧΩΩ」
僕は余りにも緊張しているせいで声を震わせながらも、杖先を大樹の真下にいて木の枝にとまる沢山の色とりどりな鳥達の青く光る瞳にジィッと見つめられたままの【コカトリス】に向けてミストから託された魔法を詠唱する。
――ビシィィッ
―――ビシ、ビシィィッ――
再び【コカトリス】の全身が、みるみる内に灰色の石に覆われていく。そして、それと同時にヤツの足元が青く光ったかと思うと、
―――ゴロ、
ゴロ、ゴロ―――、
ビシャァァァンッ――!!
たちまち、石像と化してしまった【コカトリス】の足元で青く光る場所を目掛けて―――物凄い雷鳴を轟かせながら、まるで血管のように無数に枝分かれしている見事で見ようによっては美しいともいえるような稲妻が落ちる。
そうして、【コカトリス】の石像は―――跡形もなく崩れ落ちていき僅かに残った欠片が以津真天の浮かぶ沼へとズブズブと沈んでいくのだった。
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