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~仲間の無事を祈る者達は何を話すか~

※ ※ ※ ※ 「ええーっ……ど、どうしましょう……サン様、ミスト様……ユウタさんとマコトさんが……あんなに暗い沼の中に~……自ら飛び込んでいってしまいました!!」 皆の制止の声を振り切るように自ら沼へと飛び込んだ優太と、慌ててそれを追いかけて沼へ入っていった誠を呆然と見つめる事しか出来なかった一行だったが―――パニック状態で喚くライムスの声が辺りに響き渡る。 「―――ぐにゃぐにゃよ、少し落ちついたらどうだ?先程、沼には大した深さはないと言っただろうが―――。余程の事がない限り……あの二人ならば平気だろう。」 「サンったら……なんだかんだ、あの二人を信用しているんだよね~。それにしても、サンも追いかけていってあげれば良かったのに―――。シリカ様のこと、名前も呼ばない程に嫌いになっちゃったの?」 「ミスト……お前はなんの事を言っている?私は昔から―――シ……第二王子殿の事など顔も見るのも大嫌いだ……顔を見るのですら苦痛な程にな」 サンは優太と誠が飛び込んでいった方向へと目線をまっすぐに向けて、どことなく遠い目をしながらミストとライムスへと淡々と言うのだった。

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