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~退屈が嫌いな王子と弟思いの人質との会話~

【―――なるほど……まあ、予定通りといえばそうなんだけど、愚かで我が儘なシリカは優太君達と一緒に行動するみたいだね…………ああ、目を覚ましちゃったね……うるさかったかな―――ごめんね、想太君?】 (何処かの部屋に大きめのベッドがひとつ) (その大きめのベッドには二人の男が横たわっている。ひとりは退屈嫌いな王子であり―――もうひとりは弟思いの人質である少年だ) 「……………ひとつ、聞いてもいい?」 (ふいに目を覚ましたばかりの弟思いの人質の少年が目を擦りながらジッと退屈嫌いな王子の顔を見つめながら尋ねる) 【ん…………なんだい?話せる限りの事なら……答えてもいいよ?】 「チカの姿をしている……君は…………本当の君は一体何者なの?」 【嫌だなあ………オレはチカだよ……想太くんは信じてくれないの?】 「違うっ……違う…………チカは……本当のチカは……実の弟を傷付けて楽しむような冷酷な子じゃ……な………っ……」 【―――ねんねんころり、ねんころり……だったっけ?ダイイチキュウの眠り歌は……どれどれ、幼い頃にお父上から教わった異世界の歌の利き目は……どんななのかな?】 (ニヤリ、と退屈嫌いな王子が微笑むと―――弟思いの人質の少年は再び強い眠気に襲われて―――そのまま深い眠りの世界へと誘われる) 【ふふ、可愛い寝顔―――そのまま余計な事は忘れて深くお眠り――可愛い可愛い想太くん?】

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