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白黒テレビに閉じ込められたミストは何を思う――④

《おそれいりますが しばらく そのまま おまちください おまちください おまちください 》 ザザー……ザ……ザザー…… 「誠、さっきの気味悪い男の人―――トウキョウΧΧΧΧの脅威は過ぎ去ったって言ってたよね?それなのに……何で……ミストは出て来れないの?」 「もしかしたら……まだ何かをしなくちゃいけないのかもしれない。しかし、何かヒントでもない事には――どうしようもないぞ……っ……」 尚も砂嵐状態の画面のまま、半ば強制的に耳に入ってくる喧しいノイズ音に僅かばかりイライラを募らせてしまう僕と誠は―――ただ、白黒テレビの砂嵐状態の画面を見つめる事しか出来ずに途方にくれる。 こういう時、ダイイチキュウにあったいわゆる《謎ときゲーム》ではプレイヤーに見えにくい箇所とはいえヒントの言葉や数字などが書かれた紙や――直接的ではないとはいえヒントとなるべくクイズなどがかくかれているため、誠と共に辺りを探してみたものの、そのような物さえ存在しないという事が分かり、がくりと項垂れて途方に暮れてしまう。 ―――ブゥンッ……… と、その時だったーーー。 白黒テレビの方から微かな音が聞こえて、僕と誠は再び画面に釘付けとなる。 先程まではノイズ交じりの砂嵐状態で謝罪の文字が映るだけだった画面が僅かに変化している。さっきまでは砂嵐状態の画面はノイズがはしり乱れてはいるものの、いつの間にか一面が黒い画面へと変化している。 そして―――、 《このこの うまれたひ を わたしに おしえて おしえて おしえて おしえて 》 一面が黒い画面と化したテレビによく映える白文字が画面中を埋め尽くしてしまう程に、じわり、じわりと浮かびあがって―――、 やがて―――相変わらず白黒テレビを壊してしまうのではないかという剣幕で必死にテレビ画面をドンドンと叩きながら此方へと救いを求めているミストの姿を映すのだった。

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