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さあ、答え合わせの時間だ――②
「待っていろ……引田――今、助けてやる……っ……!!」
【きゃはは ねえ ねえ みんな きいた きいた あの よそもの ぱぱの ことばが わかってないね 】
【そうよね そうよね ここには まほう なんて ものも たすける すべなんて なにも なにも なーんにも ないのに 】
【かーって うれしい はないちもんめ まけーって くやしい はないちもんめ あのこが ほしい よそもの ほしい ぜんいん ほしい よそもの くやしい そうだん しましょ そう しましょ
――― きゃはは きゃはは あはは ぎゃはははっ 】
ダイイチキュウでいう所のヌリエに擬態している三人娘が言っている【ぱぱ】というのは――おそらく先程可愛いらしい花柄の電灯の下敷きとなり消滅した【インプ】の事なのだろう。
つい先程までは可愛らしい声で笑っていた【ヌリエの三人娘】は――勝利を確信したせいか途端に【ぱぱというインプ】のように下品に笑い始める。しかし、その行為に対して無性に腹立たしくなった誠はふいに床に散乱しているクレヨンを慌てて拾い上げた。
【ぎゃはは きゃはは そんなことを そんなことを したって むだよ むだよ まけーって くやしい はないちもんめ ほら ほら このこは もう わたしたち の もの もの そうでしょ そうでしょ よそものさん きゃはは 】
「いい加減、ぎゃん、ぎゃんと喧しいぞ……引田は――いや、俺の仲間は全員――お前らのものになんかならないっ……それに――確かに今のここには魔法は存在しないが――だからといって……為す術がないわけじゃないぞ……っ……その役立たずな目を見開いてよく見ておけっ……色は――時に命を与えるんだ!!」
と、誠にしては珍しく大きな声を張り上げながら引田が閉じ込められてしまっているまま床に落ちているヌリエを拾い上げると、そのまま引田の絵が描かれている箇所にだけ何色かのクレヨンを使い分けつつ、なるべく手早く色を塗っていくのだった。
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