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ようこそ、【空中都・青春区・空海】へ⑥

「おやおや、その娘っ子を知っとるのかいな?ここに展示されているという事は―――その娘っ子も夢を食われたんじゃ……暴走したキーデンラクーゲのせいでの。ダイイチキュウから飛ばされてきた娘っ子を暴走したキーデンクラーゲに食われるように仕向けたのはコンノリキのせいじゃが……まあ、相変わらずじゃの……あのコンノリキというバカ者は……」 「コンノリキという男の人を……いや、ダイイチキュウを……知っているんですか?」 水色の球体の水槽に似た容器の中に―――人魚と化してしまっている【夢を失った美々さん】がふわり、ふわりとゆっくり漂っている。白い泡がたち、白い幾つかの建物を模した飾りの上を自由自在に泳ぎ回っている。ぱく、ぱくと口を開けつつ、まるで小鳥のように歌う彼女は―――とても美しい。 ―――けれども、今の彼女は夢を失い希望を無くしてしまっている虚無の存在だと隣に佇むドクターCは言う。 「ああ、知っているとも―――ダイイチキュウは、かつてのわいのフルサトじゃ……もっとも、もう二度と彼処には戻れんがの。まあ、それはコンノリキも同じじゃ……ヤツもわいも―――この娘っ子と違ってもう二度とダイイチキュウには戻れんのじゃよ……魂をダイイチキュウに捨ててきてしまったからの。わいとコンノリキはいわゆる、転生者という存在じゃ。自ら命を捨てたわいとコンノリキは呪いをかけられ―――二度とダイイチキュウには戻れん……じゃが、その娘っ子は別じゃ!!」 ドクターCによると、夢を失ってしまったとはいえ―――美々さんから夢を奪ったキーデンクラーゲという魔物を倒し、夢を取り返し彼女へと返せばダイイチキュウで命を捨てた訳ではない少女は再び故郷であるダイイチキュウへと戻る事は可能らしい。 それをするのは、なかなか骨がいる事だとドクターCは気まずそうな表情を浮かべつつ教えてくれた。まず、水色の球体状の水槽のような容器の中から美々を今僕らがいる外側の世界へと連れ出さなくてはいけない。 しかし、それ以上に厄介なのはキーデンクラーゲの存在―――。 何故なら、キーデンクラーゲは神出鬼没な魔物らしいのだ―――。

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