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人魚姫の側近との戦い③

「汚い手で___優太に触るな……っ……!!」 唐突に、以前にも二人きりのベッドの中で聞いた事のある誠の怒り声がすぐ側から聞こえてくる。その時は、誠の嫉妬心が露になった比較的些細な怒り声でそこまで本気で怒ってる訳じゃないのだなと分かったのだけれど___今、聞こえてきた怒りを露にしてる誠の声色は、ずっとクラスメイトとして共に過ごしてきて恋人として過ごせるようになった僕ですら身を縮こまらせてしまう程に恐ろしいもので思わず目を丸くして辺りをキョロキョロと見渡してしまう。 すると__、 「優太は俺の恋人だ___たとえ、どんなに不思議な力で俺の姿形を真似ているお前でも……優太は渡さない……まして、この奇妙な世界に閉じ込めるなんて……もってのほかだ」 そう言いながら、僕と偽物の【誠】の真横から現れたのは眉間に皺を寄せて途徹もない怒りを露にしている誠だった。誠は僕に当たらないように注意しつつ、唐突に本物が現れたせいで油断した偽物の【誠】の横腹を蹴ったのだ。そのまま、偽物の【誠】はぶっ飛び___辺りを漂っているダイイチキュウの建物(何の建物かまではよく見えない)にぶつかった。 混乱しきっている僕の体を、途端に安堵しきった笑顔を浮かべてる誠が両腕で抱き止めてくれた。いわゆる、お姫様抱っこという状態のために僕は大好きな仲間でもあり恋人でもある誠と再会できた喜びよりも先に頬を真っ赤に染めて__まるで茹でダコのようになりながら真っ直ぐに誠な顔を見つめてしまうのだった。

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