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ようこそ、【ウミス・ノナ】へ③

「ひ、引田……っ……引田……!!」 途端に、砂山の中へと消えてしまった引田の安否を気にしつつも、何かが蠢いているせいなのか___うねうねと動き続ける砂山に手を伸ばそうとする。 しかし___、 「駄目だ、ユウタ……お前も砂山に引き摺りこまれてしまう。くそっ、ここは__マミーの巣窟だったのか!?ミスト……引田に当たらないように注意しながら、水魔法を周囲に向かって放て!!おそらくだが……この中には何体ものマミーがまだ他にいるはずだ__そいつらを地上に出さなければ……無論、ヒキタもだ」 マミーがどんなものか思い出す前に、引田を救おうと手を伸ばした僕の手を軽く叩いてから激しい口調で言い放つサンから制止させられてしまった。 「§Υγфф§ΨΥΥ§……」 その直後、サンから言われた通り__ミストが集中しながら水の魔法を唱えると、その杖先からまるでシャボン玉のような形の大小様々な水球がいくつも辺り一帯へと勢いよく放たれていく。 そして、それに驚いたからか__砂の中へと引田を引き摺り込んだマミーや中に潜んでいた数体の他のマミー達を地上へ出す事に成功した。 それはいいのだけれど、まだ問題はある__。 引田を砂山へと引き摺り込んだ小型のマミーは己の体を覆っていた包帯を、ぐったりとしていてピクリとも動かない引田の体へとグルグル巻きにして拘束しつつ「絶対に離さないよ」といわんばかりに抱き締めている。大きさでいえば 人間の子供(小学生くらい)とはいえ、引田を人質に取られてしまっている以上__迂闊な攻撃は禁物だ。 そして、他に二体いるマミー達は引田を人質にとり子供くらいの容姿であるマミーに比べると少し大きいように見える。向かって右にいるマミーは平均的な中学生男子くらいの大きさで、左にいるマミーは平均的な高校生男子くらいの大きさだろう。 と、ここで___ある事に気付いた。 それぞれのマミーの包帯の隙間から、僕や誠にとって懐かしいものが見えたのだ。小学生くらいの大きさのマミーの包帯の隙間からは、僅かに見える黄色いシャツの上につけられた【こ……の……】と平仮名で書かれた名札が見え、中学生男子くらいの大きさのマミーや高校生男子くらいの大きさのマミーの包帯の隙間からは金色のボタンや黒い学生服の生地が見える。 ___バシャッ…………!! その事に気付いたすぐ後で、先程ミストが放ってマミー達の背後にまだ残っていた水球が包帯で覆われてぐったりとしている引田を大事そうに抱えて拘束している最中の小型のマミーに勢いよく当たった。 小型のマミーゆえに耐久力が低いせいなのかは知らないけれど、ミストの水球の一撃のおかげで引田を大事そうに抱えていた小型のマミーはあっけなく崩れ落ちて砂山の砂の一部として埋もれていくのだった。 でも、まだ__他の二体のマミーが僕らの進むべき道を塞いでいる。

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