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異様な熱気に包まれながら僕ら一行は砂の神殿へと辿り着く④
「ち……知花……どうして……っ……!?」
「だ、第一王子殿……」
ワニ面の男性が、重い棺の蓋を開けた直後に僕らの目に飛び込んできたのは___ダイイチキュウで一時とはいえ共に勉学を受けていた僕や誠、それにミラージュの王族に仕えていたミストやナギにとって馴染みのある【知花(チカ)】と瓜二つの人物が無言で仰向けになっているだった。
その姿は不気味さに満ちていて、知花とあまり接点がない引田とライムス___それに割と最近仲間になったばかりのホワリンは何のこっちゃ、といわんばかりに怪訝そうに此方を見つめて説明を求めてくる。
けれど、そんな引田達の様子さえも吹き飛んでしまうくらいに僕ら四人は棺の中に仰向けとなっている【知花】と瓜二つな人物を凝視してしまう。顔と両腕は無防備に晒されたままだけれども、両手は胸の前でXの形に組んでいる。胴体は白い包帯でグルグル巻きにされており、その顔は安らかだ。
ガコッ____
もっとマジマジと棺の中の【王となるべきだった筈の存在】とやらのミイラを見ていたいと思っていたのに、それは許さないといわんばかりに唐突に棺が閉じられてしまった。
「さあ、お客人__我らの神殿へ…………お通ししましょう……これから新たなる王が誕生するまえに宴を開くのです……とても、とても心地よい宴となるでしょう__我らにとっても、あなた方お客人にとってもです……さあ、此方ねお進みくださいませ」
ゴゴ、ゴゴゴッ…………
そして、犬の面を被ったベニーオがワニ面の男性に目配せした途端、僕らの前に現れた二等辺三角形型の《神殿》の扉が___けたたましい音を響かせながら開くのだった。
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