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砂の神殿には何が待ち構えているか②
◆◆◆
開いた扉の中に一歩足を踏み入れた途端、僕ら一行の目に飛び込んできたのは__室内を埋め尽くして天井に届いてしまいそうな程に高く積まれている幾つもの黄金の山と、金で作られた家具など__とにかく、これでもかといわんばかりに黄金で彩られた宴の場だ。
「……うわっ…………!?」
そして、そんな華やかな黄金の場に似つかわしくない__鼠の群れがちゅう、ちゅうと鳴き声をあげながら物凄い勢いで黄金の間から駆けて行く。やがて、鼠の群れは神殿内部の長い廊下を駆けて行き姿を消したが、何故こんな場所に鼠の群れがいたのか少し気になったものの__ベニーオとワニ面の男性に促されて黄金の間の魅力に取り憑かれたかのように歩いて行く。
「さあ、新たなる王の誕生を祝い___快楽なる宴を始めましょう。まずは食といきましょうか___さあ、我が僕よ……お客人に、極上のお料理を……」
ぱん、ぱんとベニーオが両手を打ち鳴らすと___周りに付き従う動物面の者達が金の盆を手にしながら、ぞろぞろと僕らの周りに集まってきた。
牛頭が乗っかっている盆___。
真っ赤に熟した石榴が乗っかっている盆__。
乱雑に切り取られた馬肉が乗っかっている盆___。
その他にも、あまりの気持ち悪さからすぐに目を逸らしてしまったけれど___猿の脳ミソが乗っかっている盆や猪が丸々一頭乗っかっていて腹部に深々と刃物が突き刺さった盆が僕らの目の前に置かれていった。
コトッ…………
そんな中で、様々な料理や果物が乗っかっている盆の他にも金色の盃に注がれた、ある飲み物がベニーオの下僕によって僕らの前に一斉に置かれた。
無味無臭の透明な液体が入っている。
「さあ、新たなる王の誕生のため__この盃に入っている聖なる酒を飲み……共に祝おうではありませんか……乾杯!!」
「乾杯!!」
ベニーオの合図と共に僕も誠も、ミストも___サンや引田も盃を口に付けて傾けた。ごくん、と喉をならす。
乾杯の音頭と共に、聖なる宴は遂に始まったのだ___。
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