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【ユйёウ*タ】と【アёオЁеキ】があらわれた②
「6ぴきのバグインシ?レアアイテム…………い、いったい___何を言ってるの?」
「アズキ、キナコ__マッチャ……おまえらの目的は何なんだ?優太と青木を巻き込んでまで何を企んでいる――ただ単に、俺らを始末する訳ではないんだろう?」
【ユйёウ*タ】から襲われ双剣で切りつけられそうになったショックのせいで変身の魔法が解けかかってしまっている誠___。
目の前に立ち塞がり妨害しようとしている【アズキ、キナコ、マッチャ】へと問いかける。かろうじて平静を保っていた引田は誠の隣にいるものの何故に誠が【アズキ達】の存在を知っているか、ということと【アズキ】の言い放った《6ぴきのバグインシ》や《レアアイテム》等といった言葉の意味に疑問を示しているようだった。
【はは っ …… ……さすが は 俺ら の 創造主 のうち の ひとり な だけ は あるな 。だが 、ひとつ 言って おこう 。 俺ら は 、あくい をもって ユウタ と アオキ を こんな に した わけ じゃない 。 おれ は ユウタ と アオキ という コイビトドウシ に 幸せ になって 欲しい だけ __ __そう、だよ な …… ……キナコ ?? 】
【アズキ ノ イウトオリ …… ……ソノタメニ キナコ ガ キョウリョク シタ 。 ユウタ ト アオキ ニハ 《エイエン ノ アイ 》ヲ チカッテ ホシイ カラ …… コノ 、 セカイ デ …… ……エイエン ニ__ __】
【キナコ】が先端に赤く煌めく宝石を自慢げに降りかざしつつ【アズキ】の問いかけに答える。その赤い光を放つ宝石の形は、ハートの形そのものだ。もしも、ここがダイイチキュウであるならば__ほとんどの女性が【キナコ】の持つ木の杖の赤い宝石に魅了されてしまうだろう。
【アズキ …… ……キナコ、残り の バグインシ を 見つけた ― ― 今 は まだ 、捕獲 するだ け なんだ ろう ? ? 】
【あ あ 、 ありがとう な …… ……マッチャ _ _
さすが は パーティー いち の 力 もち である 戦士 の マッチャだ …… …… 今 は 、まだ _ _捕らえる だけ で いいの さ 。これから の 、かれらの答え 次第 で …… ……仲間 に なるか 、獲物 に なるか 決まる ん だから …… ……】
今まで短時間、姿を消していたマッチャが再び宿の部屋に繋がる階段の前に現れた時――誠も引田も声を出せずに唖然としてしまった。変身魔法の能力では王族いちだと言われていたシリカも、それだけではなく魔法使いとしてそれなりに能力があるミストから変身魔法をかけてもらったサンや張本人であるミスト自身でさえもが周りに溢れかえるほど存在する【冒険者風の男】の姿から本来の彼らの姿へと戻ってしまい__尚且つ、戦士らしくガタイのよいマッチャに捕らえられてしまっている。
それはつまり、先ほど考えていた優太と青木を助け出すための計画が水の泡となってしまったということを意味するのだった。
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