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【ユйёウ*タ】と【アёオЁеキ】があらわれた③

「獲物になるか、仲間になるか……とは__つまり、どういうことなのだ!?獲物になるというのはまだしも、貴様らの仲間になるということの意図について――もっと詳しい話をしろ!!」 【嫌だ な 、そんな 怖い 顔 を しないでくれ よ __サン 、 君 は 俺 らの 仲間 に なったら …… ……攻撃手と して 、重宝 してあげる よ 。まあ 、正確 に は ― ―仲間 と いう より は 俺ら の 代わり と して 重宝 して あげる 。俺ら はね この つまらない 四角い 白銀 世界 から …… ……出ていきた い の さ 。 その穴 を 埋める の が 君ら な だけ の 話し さ 】 【アズキ達の代わりとなる】___それすなわち、誠達にとって途徹もない危機となってしまうということを誠は分かっていた。しかし、ミスト達には分からない筈だ。 この白銀に囲まれた四角い世界で__【アズキ達を作った】のは、記憶の中にいる妹の雪菜と誠だからだ。 「____この、ゲームの世界に俺たちを閉じ込め……外の世界に出るのがお前らの本当の目的か。しかし、ある男の言い付けによってそれをするためには【代わり】を用意しなくてはならない。それが俺達ということなんだな?」 【その とおり …… ……創造主マコト 、あなた は …… ……酒場 に たむろ する 冒険者 として この 世界で 生きろ 。ミスト は 魔法使い ― ― サン は 攻撃手 として 同じ グループ で 生きて いく と いい 。ヒキタ は …… ……トレジャー・ハント として 生きてゆく のは どうだろうか ? そこ の スライム は __冒険者 を 襲う 野良スライム で じゅうぶん だろう ? 】 誠は、その【アズキ】の提案ともいえる言葉を聞いて怒りに震えた。いや、それだけではない。先ほどから、偽物のユウタが背後から抱き締めてくるのが凄まじく不快だからだ。 愛しい優太の姿をした【ヤツ】を護身用の武器で攻撃する訳にもいかず、何も行動出来ないという情けなさが怒りに拍車をかける。 しかも、愛しい優太が半ば【アズキ達】の手によって命(存在)がかかっている危機に陥っているというのに己の心はそれよりも遥かに偽物のアオキに対しての【嫉妬】という下らない感情に支配されてしまっているのだ。 存在がかかっているかもしれない、というこの状況で――偽物のアオキが偽物のユウタと仲良くしている光景に対して嫉妬しているのだ。それを無理やり抑えつけようと、両目を固く閉じて尚且つギリッと拳を握りしめる。 すると____、 「ちょっと、誠__こんなヤツらに……優太くんと青木まで巻き込まれて好き放題されてていいの!?こんな訳の分からない世界に……永遠に閉じ込められてていいの__それで満足!?それに、何よりも……優太くんを……青木に奪い取られたままでいいの?」 誠を叱咤する引田の声が、辺りに響き渡る。 そうされたことで、不思議と【嫉妬】というドス黒い負の感情に支配されていた心がスーッと楽になり、今ここで己が為すべきことを思い出させてくれる。持つべきものは、己を心配し励ましてくれる真の仲間だ__と思い直した誠は閉じていた両目を見開いた。 (偽物の優太と青木を攻撃出来ないのであれば……するべきことは――ただ、ひとつ……仲間を利用し、俺らをこの白銀世界__いや、ゲームの世界に閉じ込めようとしているコイツらに天誅をくわえるだけのこと――いくらヤツらが俺らをこの世界に留まらせようとして巧妙な舞台装置を準備していようと……思い通りになんかさせるものか……っ……) そう固く決心した誠は、手に護身用の武器(小剣)を持ったままズカズカと宿泊部屋に繋がる階段の前に立っている【アズキ】の元へ真っ直ぐに進んでいくのだった。

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