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【アズキ】と【その他の群れ】のこうげき!!①

「あ、危ない……っ……マコト___そいつ、既に攻撃をしようとしてる……早く、逃げて……っ……!!」 「……っ…………!?」 ミストの切羽詰まった忠告も虚しく、不敵に口元を歪める【アズキ】の《赤と青の血液》は意思を持ったかのように、どんどんと伸びていき警戒を怠らないが故に動けずにいた誠の首にあっという間に巻き付いてしまう。 誠も、そして他の仲間達もてっきり【アズキの血液】が彼の首に巻き付いてしまった時点でぐるぐると締め付けていくといった目に見えて分かりやすい攻撃を仕掛けると思い込んでいた。 しかし、その予想に反して首に巻き付いている【アズキの血液】は微動だにすることなく、尚且つ――じわり、じわりと締め上げていくといった攻撃をする素振りすらないのだ。 痺れを切らしたサンが忌々しそうに舌打ちしてから己の武器である弓矢を構えると、そのまま誠の首筋に巻き付いているケーブルのように細長い【アズキの血液】方へと狙いを定めて矢先を向ける。苦々しい表情を浮かべているのは、【アズキの血液】が巻き付いているのは仲間だと認識している誠の首のためむやみやたらに攻撃を仕掛けられないことだ。 弓矢を構えて誠の首に放った所で、何が起こるかわかったものではない。そんなサン達の葛藤を全て視野に入れているのか【アズキ】は両腕を組みながら勝ち誇ったような笑みを浮かべている。 【マコト 、 もう いちど …… ……聞いてみる が 君 は この 世界 で 俺ら の 代わり となる 気 は ない の か ? もちろん 、 君の 仲間 と ユウタ と アオキ も 共に だ 。 そして 、 君の 妹 も …… ……共に いる 。 それでも 、 俺 と 握手 する 気 は ないの か ?】 ふと、【アズキ】が宿屋のカウンターで突っ立ったままの受付の娘の方へ視線を向ける。それでも、宿屋の娘は――まるでマネキン人形のように微動だにせず表情を変えることもなかった。 誠の心が、またしても揺れ動く____。 けれども、それを振り切るかのように、つい先ほどまでは自分を抱き締めていた筈の未だに様子が変なままの優太と青木が、いつの間にか忠実なペットの如く紛い物の仲間内であるリーダーの方へと駆け寄っていて輪の中に戻っていた。すると、誠は敵の意のままに洗脳されきってしまっている優太と青木をまっすぐに見据えると、今度はギロリと鋭く【アズキ】達を睨み付けた。 【なる ほど 、 その 様子 だ と 俺 の 提案 を 素直 に 聞き入れる つもり は 、なさそうだな …… ……それなら、仕方が ない 。愛 する 妹 との 甘い ひととき を 送れる ように 配慮 して あげて いる の に 、それ でも __ マコト 、君 は 逆らう の か い ? 】 「こんな狂った世界に閉じ込められる気もないし……それに、俺の記憶の中にだけ存在する、俺にとって都合がいいだけの妹との甘いひとときなんてものはいらない。それよりも、今は――お前らを退治することと、本物の仲間である優太と青木を取り戻すことだ!!俺の仲間は、本物の優太と青木……それにミストとシリカ__サン、引田とライムスだけだ。偽物のお前らなんかじゃない……っ____!!」 ダイイチキュウで、高校生として暮らしていた時でさえ怒鳴り声などあげなかった誠が決して狭くはない宿屋に響き渡るくらいに大きな声で叫ぶ。もちろん、【アズキ】に対してこれでもかといわんばかりの敵意をむき出しにしながらだ。 【 …… …… ……】 アズキは何も言わない____。 だが、代わりに腕をヒュッと素早く動かして【自らの血液】を操作する。 【やっぱり 、 バグ因子 は 取り除く べき だ 。死 という 概念 は ― ― この 世界 に 存外 しない が …… ……バグ因子ら を 退治 し 、従わせる こと は できる 。 この 、 特別 な 武器 さえ あれば な !! 】 ケーブルのように細長い【自らの血液】の先端を、誠の両耳の穴に差し込み暫くたつと、【アズキ】の目の前に銀色に光り輝くある武器が現れる。 ダイイチキュウに存在していた《包丁》に見た目がソックリな武器とやらを【アズキ】は手に持ってから、悪戯を楽しむ子供のような笑みを浮かべて誠達一行に宣戦布告するのだった。

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