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誠達一行は共に《宿屋の外》へ出た!!しかし、新たなる敵があらわれた!!③
※ ※ ※
「ねえ、誠……これってさ___ヤモリ……だよね?でも、こんなに雪みたいに白くて赤い目をもつのは見たことがないよ」
「ああ……確かにヤモリだな。でも、こんなに肌が白いのは初めて見る。もしかしたら、アルビノ種なのかも……」
メンバーの中で割と物知りな引田は宿屋の中で未だに目を覚ましておらず青木も未だに宿の中で体を休ませつつ仲間を見守っている状況なので、雪の中に埋まりながら白い体を小刻みに震わせているソレを覗き込みながら誠と優太はほぼ同時に首をかしげた。
降り積もった雪の中に、ダイイチキュウにあるペットショップの爬虫類コーナーで見かけたことのある《ヤモリ》によく似た生物が横たわりながら寒さに身を震わせていた____と思っのだが、よくよく見るとその《ヤモリらしき》生物は怪我をしている。
ドサドサと降り続け、止む気配のない雪と同化してしまっている体の背中部分に少し大きめの傷が二つついているのに気付いたのだ。
しかし、不思議なことに辺りは真っ赤に染まってはいない。
(もしかしたら――あまりの寒さに傷口が凍って塞がったせいで血が出なかったのかも……)
などと、誠が訝しげにその《ヤモリのような生物》を見つめていたら、すぐ脇から視線を感じた。
「…………?」
ミストとサンが、《ヤモリ》とは何だ__といわんばかりにジーッと誠と優太を見つめている。
もしくは、自分達を置いてけぼりにして、二人だけの世界に入るなと言いたいのかもしれない。
____とはいえ、『ダイイチキュウに存在する《ヤモリ》という生物の説明をするのはいいけれどミラージュでしか暮らしていないミストとサンに対しては中々難しいな』と誠が頭を悩ませていると、隣にいる優太がクイッと誠の服の裾を引っ張った。
悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべている優太は、自分に近寄ってといいたげに手招きをしている。
直接言われた訳ではないけれども、恋人の望む通りに耳が頬についてしまいそうなくらいに身を寄せ合った誠は恋人のアドバイスを聞いて感心してしまう。
『あのね、こう言えばいいんだよ__』
恋人のアドバイスを得た誠は、ミストとサンへとダイイチキュウに存在する《ヤモリ》の説明した。
※ ※ ※
「ヤモリっていうのはな……知花の人間じゃない時の姿と瓜二つな生物だ。知花と違って……こいつは白い肌を持っている。それは生まれた際に何らかの変異が起こったせいだ」
こう言うのが正解なのかは、ともかくとして、かつての主である王の息子の《チカ》の名を出したためか、ひとまずミストとサンは《ヤモリ》について納得してくれたようだ。
「…………」
それでも、サンは訝しげに白いヤモリの様子を見つめていた。
心なしか、ヤモリの背中部分にある傷口を執拗に見つめながら考え事をしているように感じる。
(サンは……いったい、このヤモリの何がそんなに気になるんだ……)
と、誠が疑問に思った途端に誠達一行を真上から何者かの黒い影が襲いかかろうとするのだった。
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