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ようこそ、【玄 亀 讐虎鐔 � 白 壺 鐔э 中 秀龍 鐔 殿 � 姫 蛭�� 】へ ①
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どことなく怖がった素振りを見せるマ・アに連れられ、共に白い床にて倒れている人物を身を屈めながら覗き込んでみると、すぐにそれが誰か分かった。
先程まで、離ればなれになっていた《シリカ》が倒れている。その細い両腕には、白地に青い絵具で滑らかな線模様が描かれた壺を持っている。
しかしながら、何故に彼がこのような場所で、ましてや壺を持って倒れているのかが僕にはどうしても分からなかった。
最悪の事態が頭をよぎり、急いでシリカの口元に耳を寄せて呼吸を確認する。
すると、すう、すう____と寝息をたてているのが分かり、とりあえずはホッと胸を撫で下ろした。
シリカは寝ているだけだと分かったものの、やはり心配なため僕は彼の小さな体を揺さぶる。
すると、その揺れの振動のせいか壺の中から何かが飛び出してきて、やがて壁にぶつかって床に落ちてしまう。
それは、今いる所から少しばかり離れた場所まで飛んでいったため僕は慌てて追い掛けてみた。
「黒い…………亀____!?」
それの正体が分かり、僕はますます混乱してしまう。
シリカが大事そうに抱えている壺の中から黒い亀が急に飛び出してきて、しかも壁にぶつかったかと思うと、そのまま甲羅を下側にして床に落ちたという事態を容易には受け入れられなかったのだ。
しかしながら、黒い亀はじたばたと短い手足をばたつかせ必死に体制を戻そうとしているのを見て、そのまま放っておくのは可哀想だと思い、急いで哀れな亀を拾い上げた。
ふと、ある事に気づく____。
黒い亀の甲羅の部分に、【┻┓】といった妙な形のヒビが入っていて、そこが赤く光っているのだ。
(何だか……嫌な感じがする……とにかく早く……誠達のいる場所に戻ったほうがいいかもしれない……っ____)
その黒い亀の甲羅に入って赤く光る奇妙なヒビを目の当たりにした途端に、まるで何者かから心臓をガシッと鷲掴みにされて尚且つギリギリと締めつけられているかのような不吉な胸騒ぎを感じた。
そして、その黒い亀を元いた場所に戻すべく、並々と透明な液体が入っている壺を覗き込んでから手に持ったそれを中へと入れる。
ポチャンッ____
水音が妙に大きく感じたのは、僕の気のせいなのだろうか。
そして、先程までは透明だった壺の中の液体が黒い亀を入れた途端に一瞬白く濁ったように見えたのは僕の気のせいだったのだろうか。
そんなことが引っかかった僕だったけれど、とにかく何とかして未だ寝息をたてつつ眠り続けるシリカの体を引きずりながら誠達の元へと無我夢中で戻ろうとした。
子供とはいえ、シリカを一人で引きずるのは容易ではないと判断した僕は誠達を呼んで手伝ってもらうために大きな声を出そうとする。
しかし____、
「うわぁぁぁ……っ…………!!」
仲間達のうち、明確には誰のものかハッキリとはしないものの誠達のいるはずの場所から悲鳴が聞こえてきたため、驚き慌てふためいてしまった僕はとりあえずシリカのことは側にいるマ・アに任せて悲鳴が聞こえてきた場所へと駆けて行くのだった。
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