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第6話
「……はぁっ……っはぁ……」
走馬灯の様に、亜依との思い出が脳内に駆け巡る。
先ほどより短い間隔で呼吸を続ける冬愛は朦朧とする意識のなか、このまま母親と同じ所へいけるのであればそれでいいと思い始めていた。
「――み! ――――い!」
誰かが自分に向かって叫ぶ声が微かに聞こえてくるが、冬愛は返事が出来ずにいた。
重くなった身体を、無意識のうちに声の主の方へと傾ける。
支えられた腕から感じる冷たいけれどもどこか安心感のあるような温もりが母親のものと似ていて、そのまま頬を擦り寄せながら彼は意識を手放した。
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