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第15話

ラシェル視点 ++++++++++ 「……?」 当然だが、俺の言葉にヤマト様の反応は薄い……。 どうしようか……。 どう、伝えれば良いんだ……。 俺が内心焦りと悲しみでぐるぐると堂々巡りをしている時、ヤマト様の隣りにあるものが駆け寄ってきた。 「ァウ!」 「キ!」 何と現れたのは、大きな灰色狼と、狼の背に乗った小さな白い猿。 あの泉で見た動物だった。 「……狼と猿……?」 何で……この動物が……。 ―グイ! 「……ヤマト様を……連れて行けと……?」 「~~ゥウゥ~~……」 「???」 意味有り気にヤマト様の背中を俺の方に押す狼。 俺はその行為に思わず…… 「―……義父さん……」 「ウ!?」 ……は! 俺は狼相手に何を口走ったのだ!?? 「と、とにかく俺達と一緒に城に来て下さい!」 慌ててヤマト様の手首を掴み、勢いで言い切った。 その時、視界の端……ヤマト様のい後方に映った動物に俺は自然と声を掛けていた。 「ごめんな? ヤマト様は連れてく……」 当然、何も返されないだろうと思っていたのだが…… 「―……誰がヤマトだけと言った」 え? この、低い男の声……は? 「ここでこの姿を現すことになるとはな……フン……」 「獣人……!?」 灰色狼と白い猿が、一瞬で目の前で人の姿に……!? ヤマト様も声無く驚いている。今まで知らなかったのか……! 「"獣人"……? 俺達は"半神"だ、人間。よって、"神獣"の方が近い存在だ」 し、しんじゅう!? 「さて、俺達もヤマトと一緒に行くぞ、人間」 「!!?」 ナンダッテ―――!?

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