28 / 40
第28話
ラシェル視点
++++++++++
―……風呂場の壁裏から弟が飛び出してきた……。
「兄上、お帰りなさいませ!」
「うん、ただいま。……ところで何でジークランはそんな所から出てきたんだ?」
「はい! 兄上が心配で! あと、兄上補給を行っておりました!」
「……そうか」
心配? しかも、俺を補給している意味がわからない。
俺は何も提供していない。
「……詳しく聞きたい事はあるが、話しは後にしようかジークラン……。取り合えず、俺達は入浴中だからお前は出て……」
「イやです!!!」
……言葉を遮られた上に、力一杯拒否された。
「兄上達はこのまま入浴を! 兄上、任せてくれ。勇者殿がおかしな事をしないか、俺が監視する!」
「ラシェル、大丈夫。ボク、いっぱい洗う、ね?」
「……」
そしてジークラン監視の下、再開されたヤマト様による手洗い……。
―くにゅ……くにゅ……
「!」
弟に見守れながら、胸の……乳首伸ばされ、クリクリと洗われてる……?
……おい……。これはおかしな事ではないのか?
「……」
上目でジークランを見て、確認のアイコンタクトを試みる。
俺はそのつもりで見たが、弟の様子がおかしい事に気が付いた。
何故、悔しそうに歯軋りをして、今にも泣きそうな顔をしているんだ。
流石に恥ずかしくて泣きたいのはこっちだというのに……。
妙な悲しさに肩を落とした俺に、ヤマト様が気遣わしげに声を掛けてきた。
「ラシェル、ボク、森で動物達洗うしてた。慣れてる、大丈夫」
「……ぇ!」
……と、いう事は、ナンだ?
ヤマト様は動物相手に、この様な手つきで全身を洗って……?
ぶち当たった事実に愕然としていると、どうやら俺の洗いが終わったらしく、温かな湯を掛けられた。
そして再び泡を作り……
「ボクも洗う」
あれ? 俺の洗いが基本だとすれば、ヤマト様自身を洗う流れも同じ……?
「……っ……く……ふぅん……」
「「!?」」
や、やっぱり……!
ペニスを剥いて先端の窪みと割れ目を洗い出した……!
し、しかも……その様な声を……!?
……あ、洗っている……だけ、なのに、どうしても……その…………弄ってる様に見える……。
素晴らしい視覚の暴力だ。
鼻血が出そうだが、ここは魔法陣の新しい図形配置でも考えてやり過ごそう。
「ぁ、は……はぁ……はぁ……」
ああ……泡と先走りが合わさって、クチクチとした音が……。
少し眉根を寄せて、何かに耐えるような表情……。
ろ、録画……ヤマト様の表情や声と一緒にその洗ってる音も録画したいぃい!!!
……おっと、魔法陣だ。魔法陣……落ち着け、ラシェル……。
ジークランも静かだし、俺が変に取り乱すのは益々変だろう。
「……ん、んぅ……」
そして今度は、胸の乳首を伸ばしてクリクリ……。
ペニスはさっきので半分以上起ち上がって 、先走りが滴ってる。
透明な細い糸が床へ落ち、そこに徐々に溜まりが出来て……。
他にもあるが、とにかく……見ている方が釘付けになる。
いけない気分が盛り上がっている……。
や、洗われている時もそうだったが……。う、うむ……?
……しかし、しかし、だな!!?
「や、ヤマト様……この洗い方は誰に教えられたのですか……?」
言葉だけではまだ分からないかと思い、腕を洗う仕草から小首を傾げて聞いてみた。
「……洗う? ヤト、パルク! 丁寧、洗うやり方……」
「そうですか……」
「ラシェル、早く仲良くなりたい! ……だから、初めて、お尻、した。お尻、洗う相手、特別好き!」
「……そう、ですか……」
尻を洗う相手は特別……、好き?
……トクベツ……スキ……。
「…………尻……洗浄……」
今まで静かだったジークランが零した言葉が、俺の中に波紋を作った…。
―……ぁ、あ、あンの……エロ狼とエロ猿ぅううううぅ……!!!
ともだちにシェアしよう!