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第31話
ラシェル視点
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目が覚めて一番最初に考えた事は……
「……これから香油が必要になるんだろうか……?」
……それにそもそも、ヤマト様と俺の関係って、何だ?
俺の事を"特別大事な好き"……
あと、何か前に言われた気がするけど、ヤマト様の言葉が分からなかったからな……。
「すぅすぅ……らし……え……るぅ……」
「…………」
う……照れる……。
多分、ヤマト様は年下。
ジークランの方が近い年齢だろう。
寝顔を見ながら、ちょいちょいと顔に掛かる黒い髪を横に流す。
髪の毛……特に拘りが無いのなら、切ったり……整えてみたいな……。
顔の全貌が分かる様にしてから、更にじっくり見てみる。
……案外長く、綺麗に外巻きになっている睫毛。
薄く開いた口から漏れる、息と掠れた声。
肌は少し日焼けしていそうな……でも、肌理が細かくて綺麗。
鼻筋も程好い高さで、顎の具合と合わさってややシャープなイメージだ。
この青年が、俺の事を……。
昨夜の事を思い出して、ニヤニヤしてきた……。
「ふふふ」と思わずリズムのある笑みが零れた。
「……オハヨ、ラシェル」
声に意識を引き戻されて、そちらを見れば少し眠そうだがヤマト様が目を開いていた。
「おはようございます、ヤマト様……っわ!?」
「ん~~……んーんー」
ヤマト様は俺の言葉を半分切る形で唇を舐めてきた。
掠めたり、押し付けたり……舌でぺろぺろと嬉しそうにじゃれついくれる。
俺は思い切って小さく舌を出したら、直ぐにその舌を吸われ、舌が絡んできた。
くちゅくちゅとした水音をさせて、舌同士の絡まる面積が広がって行く。
もうお互いを強く抱き合って求めており、俺の腹に固いものが当たった。
"ヌル……"とした熱い滑りを感じ、俺はそれに手を伸ばして触れ、輪郭をなぞり答えを確かめた。
「……ふ、ぁ、あッ!」
俺の指先の動きにヤマト様がビクンとされ、唇と舌が離れた。
そして"トロ……"と熱い汁が割れ目から大量に溢れてきた。
……俺に触られて……こんなに熱いトロトロなカウパーを沢山流して……。
俺はヤマト様の様子を見ながら、優しい手つきでペニスを昂らせた。
ヤマト様も嫌そうではなく、どこかウットリとされている。
俺はそんな彼を見て、少しづつ刺激を強めた。
すると、その表情達に変化が……
「……ラシェル、だめっ……オシッコ、でちゃう……出ちゃう……だめ、だめ……」
力加減を調整しながら先端を触り、茎を扱いているとヤマト様が真っ赤な顔に涎をたらしながら俺に訴えてきた。
可愛く強請って、訴える勇者のヤマト様。
「……良いのですよ、このまま出して下さい。さ、早く……」
「……~~~んぁ、ぁあう……ああっ!!」
―ビュー! ビュー! ビュー! ビュー! ……
……嗚呼、目の前でヤマト様が射精をせている。
赤く膨張を繰り返しながら、ペニスの先端から白い液体を断続的に吐き出している。
涙目で戸惑う、その姿にゾクゾクする。
そしてそんなヤマト様に姿に、自分が勃起している。
俺はほぼ反射的に自分で扱き、「俺も……出します……」とヤマト様の前で射精をした……。
ヤマト様は俺が射精している部分を凝視して、自分が射精後の余韻に浸っている中で舌なめずりをしていた。
舌なめずりするヤマト様を見て、俺は更に興奮して腰が揺れてしまって……。
そして……出し切ってから、激しく恥ずかしくなった俺は、手早くヤマト様と自分の処理……拭ったりして、布団の中に素早く隠れた。
お、俺は、何て事を……!!!!!
羞恥と後悔で悶える俺を残し、ヤマト様が動いた。
「……ラシェル、ボク、朝ご飯とってくる!」
「え!?」
そう言ってベッドから降りて服を着て、ヤマト様は扉ではなく……窓を開いた。
「待ってて。向こうから、とっても美味しそうな"実"のニオイ、する」
するとヤマト様はバルコニーを駆けて近くの木に飛び移って、どこぞへ……。
「…………」
何て身軽な動き……。
音も無く、除けいな揺れも起こさず木々に飛び移って行くヤマト様。
城の暗部の者と同等に感じたが……。
「……城の庭……は結構、広いのだが……」
俺は一瞬、ヤマト様がちゃんとここに戻ってこれるか不安になった。
……そして……ヤマト様が実を抱えて帰ってくるまで、俺は状況の羞恥と後悔から解放されたのだった……
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