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第34話
ラシェル視点
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「……お前は何をしているんだ……」
「兄上……」
……風呂場での一件もあるし、俺の弟は覗きが趣味の域なのだろうか?
とりあえず大きい窓を開けてジークランを部屋に入れ、俺はやや怒気を含んだ声で頭を垂れている弟を見下ろした。
すると俺の言葉に反応してシークランは顔を上げ、とんでもない事を言い放った。
「……俺も兄上と……食べさせ合いしたいです!!」
「じ、じーくらん!?」
やはり、さっきのヤマト様とのを見られていた!?
いや、そんな事ではなく……!
俺がジークランの言葉に混乱した一瞬、ヤマト様が俺の横を通り過ぎて上向くジークランに顔を寄せ……
「ん」
「!??」
「!!!」
ヤマト様とジークランが……!?
―ごく……!
しかもジークランの喉が動き、何か、を飲み込んだ……。
「―……間接で良い?」
「……!!??!?」
「…………」(白目)
―……二人の様子を見て、俺の魂が抜けてしまった。
だ、だって……弟とヤマト様が……キスを……?
しかも、多分……ジークランはブルーベリーを……ヤマト様から与えられた……。
そんな呆然とする俺を腰からヤマト様は引き寄せ、抱きしめてきた。
そして……
「ラシェル本人とは駄目。ラシェルは俺のだから、ラシェルは俺とだけなの」
キッパリとジークランに言ったのある。
そして……
「……ん、ン……は……」
「ふぁ……ぁ……んン……」
弟の前で背中を撫でられながら唇を覆われ、舌を絡められ唾液を飲まれ、俺もヤマト様のを飲んだ……。
俺の身体でジークランは見えないだろうが、ヤマト様の前が……熱く硬く反応している。
俺はヤマト様の身体に手を伸ばして抱き付きながら自身を擦りつけ、こんな状況ながら……愛おしくなった。
内部に炎がともった瞬間だった。
「……ジークラン……説教と言い訳は後だ」
「…………」
「帰れ」
「ぁ、あに……」
「帰るんだ」
俺の二度目の鋭い声に、ジークランは窓から帰って行った。
下がる肩と纏う雰囲気に一瞬可哀相に感じたが……まぁ、しょうがない……。
俺は今度は窓に厚いカーテンを引き、ヤマト様の腕の中に帰り、俺から彼の唇を塞いだ。
……朝なのに……今日の予定、どうしようか……遅れるなぁ。
……だが口付けの後で見つめ合った俺達の瞳と身体には、もはや逃れられない位の欲望が高まっていた……
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