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第37話

ラシェル視点 ++++++++++ 朝食の為に食堂へ行けば、なんとそこには長兄・ランシェードと次兄・ルキラニア……それに弟・ジークランが揃っていた。 しかも全員食事に手を付けていない……。 俺達を本当に待っていたのか……。 それぞれ忙しいのに悪い事をしたな。 ……さて、ヤマト様との……"関係"はなるべく隠した方が良いか? チラとヤマト様の表情を盗み見る。 あ。前髪で表情が隠れている。 俺の前では横に流すか……一応、顔を出していたのにな。 それから俺は兄弟とヤマト様へそれぞれ紹介し、朝食へと移った。 並べられた食事に手を付けながら、ランシェード兄上がしゃべり始めた。 「―……ところで、ヤマト様の"勇者としての能力"は何だ?」 ……確かに、ヤマト様はどうなのだろうか? チラリとヤマト様に視線を向けると、「?」的な様子だ。 どうやら本人も分かってないらしい。 俺もまだ確認していないな……。 一緒に旅をした感じでは、今のところ剣技……他の武器が突出した感じも無く、だからといって魔術が……、でも無さそうだ。 ただ、動物……大蛇も合わせると、魔生物や動物、神獣関係に……とにかく好かれている傾向がある気がする。 俺がランシェード兄上の言葉に自分なりの分析をしている時、突然真っ白な人物が食堂に現れた。 「―……あらゆる生物を従える能力……勇者の能力は"テイマー"だ」 悠然とした態度で現れた人物はそう告げ、俺達へ振り向き再び口を開いた。 「食事時に失礼、俺はこの国の象徴たる者だ」 何者かを言われても、驚きのあまり誰も何も言えない……。 現れた人物の言葉を考えると、この人物は"神"と言う訳で? そして俺達を置いたまま、神の者は言葉を続けて…… 「勇者殿と旅に出ようかと思い、参った」 俺はその言葉と神が勇者……ヤマト様に向ける瞳に、何だか嫌な予感がした……。

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