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【2】-1 ※R18

 それ以上に状況が理解できない。  朦朧とする頭で必死に何かを考えようとするが、全身の力が抜けていて、ベッドに倒された時には自分の足で立たなくて済むことに安堵するほどだった。  甘い蜜で満たされた身体は内側からすっかり溶けてしまったかのようだ。  晴の唇や肌を吸いながら、男は手際よく自分の上着を脱ぎネクタイを外した。 「どうした? まだ、何もしていないのに真っ赤だぞ」  可笑しそうに笑う男を晴は霞む目で見上げた。初めて知る官能の強さに瞳は潤み、困惑する眉は頼りなく下がってゆく。 「そうやって誘う顔は悪くないな」 (誘う……?)   両手で頬を包まれたまま、かすかに首を傾げる。  男の手が下に移動し始め、首筋と鎖骨をたどった後、ふいに胸の飾りを軽く摘まんだ。そのまま捏ねるように転がされ、見知らぬ疼きに、あ……っと小さく叫んで身をよじる。  男はいかにも楽しそうに笑った。 「感じやすいのも悪くない」  腰のベルトを外し男も全ての服を脱ぎ捨てた。  ギリシャ彫刻を思わせる裸体が目の前に現れ、晴は息をのんだ。  男の肉体の美しさに、心臓が騒ぐ。同時に、何をされるのかを理解し、ほとんど本能的に短い言葉を発していた。 「や……っ!」 「焦らすのか? それもなかなか可愛いが」  逃げかけた身体は簡単に男の下に引き戻された。  肌を味わう唇の感触と、骨の形を確かめるように滑る指の動きに、身体が勝手に熱を持つ。官能を引き出す愛撫に乱される自分が怖くて、抵抗しようと押し当てたはずの手は、けれどいつしか男の肩にすがっていた。  過ぎる快感を逃そうと腰が波のように不規則に揺れる。  ふいに胸を噛まれて甘い声が迸った。 「あ、や……、あぁ……っ」  背中が反り返った隙に、男の手が晴の下着を抜き去った。足の間に手が伸ばされ、反射的に膝に力がこもる。 「あ、だめ……っ!」  竦んで震える腿を、男の手のひらが宥めるようにゆっくりと撫でた。あやすような口づけを落とされる。  他人の手を始めて知る晴の陽徳を、長い指先がそっと包み込んだ。 「あ……あ、やだ……っ」  軽く上下に擦られただけで、すでに反応し始めていた場所は簡単に張り詰めて蜜を零す。片方の胸を舌の先で舐められ、もう片方は指で摘ままれ、たまらずに切ない喘ぎを漏らした。  男は楽しげに笑い、もっと声を聞かせろとばかりに愛撫を強くした。 「やめ……、あ」

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