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【2】-2 ※R18

 下肢を包んだ指の複雑な動きに、苦しいほどの快感がせり上がる。自分のものとは明らかに違う骨格の大きい手に晴は翻弄された。 「あああ……っ」  その大きな手の中で晴はとうとう限界を迎える。 「あ……、いやっ!」  弾けるように迸った漿水が男の手を濡らした。  顔から火が出るほどの羞恥に、茶色い瞳いっぱいに涙の膜が広がる。ぼやけた視界に美しい顔が滲んで揺れていた。  人形のように力をなくした身体が、ぱたりとベッドに崩れ落ちる。  うう、と一度くぐもった声で呻いた。 「……あっけないな」  揶揄されても、もう何も考えられなかった。そのまま長い睫毛を閉じると、張りつめた水の膜が大粒の涙になって頬を流れる。  長い指先でそれをぬぐった男は、ため息のように呟いた。 「どうして泣くんだ……? そんな顔で泣くと、離したくなくなる……」  いつもそんなふうに泣くのかと、どこか苦い問いが落とされ、意味がわからないまま、晴は力のない首を小さく振った。 「まあ、いい……」  ため息を吐いた男は、ふいに強く晴を抱き締めた。混乱と羞恥に涙ぐむ晴に、宥めるような口づけを落とす。優しく、何度も。  このとき晴は、どこかでこの男を信じてしまった。  そして、ただ目の前のものに縋るように手を伸ばした。  男の目がわずかに見開かれ、慈しむような光が瞳に宿る。口腔を舐め尽くすような口づけに強い情欲が滲み、そのどちらもが、同じ優しさから生まれたもののように思えて、深く激しいキスを晴はもう怖いと思わなかった。  どこか大切に、気遣うように触れてくる男の腕の中で、じっと大人しく身を任せ従うことが、嫌ではなくなっていた。  けれど……。  精漿をまとった指が後ろの小さな窄まりに触れ、そこを押して入り込もうとすると、晴は驚いて飛び上がった。 「やっ……! な、な、何……?」 「何って、そっちこそ急になんだ? ここまできて」  呆れている男になおも抵抗して首を振ると、いいから大人しくしていろと、後ろ手にネクタイで腕を縛られてしまった。 「な、何す……っ! あ……っ」  うつぶせにされぐいっと尻を持ち上げられる。  あまりに恥ずかしい体勢に、ずり上がるようにもがいて逃げる晴の腰を引き、男はことさら楽しそうに笑った。 「これではまるで、レイプだな」

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