8 / 48

4

 そう簡単に人間には負けない。  たとえ三つしか尻尾がなくても、そこまでは落ちぶれてはいない。  そうだ。  妖力も持たない人間に負けてたまるか!  真尋は自分に言い聞かせると、空腹のあまり口の中いっぱいに溜まった唾を飲み込み、人間に化けた今の身長よりもずっと高い塀を軽々と跳び越えた。  ―落ちこぼれ妖狐・完―

ともだちにシェアしよう!