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 対する弓月は武器のひとつも持っている様子もない。彼は相変わらず身軽で、狩り衣をふんわりと纏っているだけだった。  それでも、弓月には何かしらの強固な意志が感じられる。彼を前にすれば、男たちが持っている鉄砲なんてただのオモチャのようだと真尋は思った。 「これは俺たちが見つけた獲物だ。誰にも渡さねぇ」 「これは霊力を持った狐。失礼ではありますが、霊力もない貴方方にこれが扱えると?」  弓月の怯える様子もないその出で立ちが逆に恐怖を与える。武器を持つ男は互いに顔を見合わせた。  今度こそ、弓月の話を聞き取ることができた。  彼は、この男たちふたりによって痛めつけられた狐があやかしだということを知っているのだ。 「そ、それは……」 「ならばこの者。私に預けてはくれますまいか」  先ほどよりもやや強い口調だ。有無を言わさない。 「祟られでもしたらたまったものじゃねぇよな?」 「……うむうう」

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