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第6話

歩との関係は続いた。 付き合ってたのは多分男。 でも、未開発でかなりの照れ屋。 最初は少し苦しそうだった行為。 …………最近、声が甘くなってきた。 『口でして』て言ったら、『した事ない』て答えが返ってきた。 …………ヤバイ。 本気でどうにかなりそう。 自分色に染めたい。もっと色々な顔みたい。 欲求は収まるところを知らない。 いつもツンツンしてるくせに、やってる時はとびきり可愛い。 赤く染まる頬。 控えめな声。 潤んだ目。 寝る度に泥沼に入ってる自覚はあった。 …………今日、初めて歩が俺の前で笑った。 テレビのお笑いに吹き出した。それだけ。 一瞬で囚われる。 歩が笑うと嬉しい…… もっと可愛い顔見たい…… 最近じゃ、やってない時も可愛くて堪んない。 重症だ。言われなくても分かってる。 会社で触るとすげー嫌がる。その様子も可愛くて、つい、ちょっかいを出してしまう。 最初は無表情だった歩。 最近、怒ったり、呆れたり、時々笑ったり。 歩の表情が増えてきた。 …………セフレ。 俺は歩を脅して関係を続けてる。 どうしよう…………

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