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第7話
最近、俺、おかしい……
歩が可愛くて可愛くて仕方ない。
笑ってるとキュンとして、寂しそうにしてると俺まで胸がズキズキする。
お前は俺の気なんて知りもしないで、時々、『瑛人』を思って涙する。
昨夜は抜かずの二発で盛り上がった。
なのに……
「…………なんで。瑛人……」
また夢見て泣いてる。
…………振った奴の事なんか忘れろよ。
俺が側にいるだろ……
あー。クソ!胸が痛い……
「瑛人って元彼?」
起きた歩に声をかける
「そう。情けねーだろ。
男のくせにこんなに泣いたりして。」
そっと涙を拭う歩。
一体、いつになったら忘れるんだ。
もう、お前の涙なんて見たくない。
「泣きたい時に泣いたらいい。
時々、羽目をはずしたり暴言吐いたり、きっと時間が流してくれる。」
…………瑛人は馬鹿な男だ。
一途な歩……
こんなに愛されてたのに、手放したりして。
歩の想いは本物だったのに……
「……俺、別れ話された時に、
『どうして?』『嫌だ』『別れたくない』、
何も言えなかったんだ。」
「そっか……」
…………後悔してんのかよ。
したって無駄だろ……
そっと抱きしめる。
「大丈夫。いつか忘れられるよ。」
頭を撫でると歩は余計泣いてしまった。
早く忘れろよ。
元彼に嫉妬とか、寝言にショックとか、笑えねぇ。
その日、何もしなかったのは、別に優しさとかじゃない。
『瑛人』
歩の心を占めてる存在が憎たらしくて、どうにかなりそうだったから。
優しい振りして歩を抱きしめる。
初めて思った。
………………歩の全部が欲しい。
自分だけのものにしたい。
ずっと自分には恋愛は出来ないと思ってた。
歩が好き。
だいぶ重症……
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