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第28話
「………………他の奴の所に行かないで。」
呆然としてたら手を握られた。
涙目の歩と目が合って体が熱くなる。
スルリ……
頬に手が置かれ、心臓が忙しなく鳴った。
自分でも分かる位……
多分……顔が赤くなってる。
「あ、ゅ…………んっ」
歩からのキス。
幸せで目を閉じる。
「葉月が好き……」
繰り返される愛の言葉。
「好きなんだ…………」
歩の言葉がゆっくりと染み渡る。
何度も言われてこれが現実なんだと、やっと思った。
「歩……」
重なる唇が離れて、合わさる目線。
不安そうな歩に思わずキュンとしてしまう。
涙を拭ってから抱きしめた。
…………いつの間に?
色々聞きたいけど、今はキスしたい。
歩が『好き』って、言ってくれた………
指を絡ませて、髪を撫でる。
口の中を優しくなぞり、もう一度抱きしめた。
沢山、キスしたら、歩は赤くなってる。
可愛い……
「俺も……歩が好きだ…………」
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